練習用サイトを公開しても、案件の応募画面を開くと手が止まります。「このスキルでお金をもらっていいのか」という不安が残るからです。

最初の1件は、自分で確認できる範囲へ絞ります。依頼内容を読み、対応範囲と対象外の作業を提案文に書けば、依頼者も判断できます。

応募する前に、受ける仕事を一文にする

「Web制作ができます」という一文からは、相手が作業範囲を判断できません。納品物まで含めて一文にします。

支給された原稿と画像を使い、スマートフォン対応の
1ページサイトを制作して公開します。

記事入稿に絞るなら、次のように書けます。

既存のWordPressサイトへ記事を入稿し、
見出し・画像・表を読みやすく整えます。

この一文へ書いていない仕事を頼まれたときは、その場で受けずに確認します。ロゴ制作、写真撮影、文章作成、予約システム、サーバー移転は、それぞれ別の知識と時間が必要です。

見せる制作物は、一つでも説明を添える

作品数が少なくても、何を考えて作ったかは伝えられます。

ポートフォリオには、想定した依頼者、担当範囲、制作中に直した問題を画面と一緒に載せます。架空の店舗サイトなら、自主制作だと明記します。他人の実績や、AIが生成した成果を自分の案件として見せてはいけません。

ページ構成とAI利用の書き方は、未経験から作るWeb制作ポートフォリオで詳しく説明しています。

このサイトでは、Codexでサイトを作り、公開後に修正した記録を制作例として残しています。完成画面だけでなく、直した理由まで書くと、作業の考え方が伝わります。

最初の案件を探しやすい三つの場所

クラウドソーシング

募集件数が多く、依頼者と制作者はオンラインで契約から納品まで進めます。応募者が多い案件や、作業範囲に対して予算が低い募集もあります。

「初心者歓迎」だけで選ばず、納品物、期限、素材、修正回数が書かれているかを見ます。曖昧な募集ほど、応募前の質問が必要です。

知人や地域のつながり

知人の店舗や以前の職場が、長く更新していないページを抱えていることがあります。知人から受ける仕事も、作業範囲と金額を決めます。

作業範囲、金額、納期を文章で残します。「ついでに頼みたい」が増えたときも、最初の約束へ戻れます。

制作会社の小さな外注

制作会社やデザイナーが、コーディングや更新作業を外注することもあります。会社が公開した募集要項を読み、自分の制作例と対応できる時間を添えて連絡します。

経験が少ない段階では、急ぎの大規模案件や要件が固まっていない案件を避けます。応募前に、質問へ答える担当者がいるか確認します。

提案文は、募集文を読んだ証拠を入れる

AIで提案文のひな型を作り、募集ごとの部分を変えずに送ると、相手には募集文を読まずに応募したように見えます。

提案文の最初には、募集内容の具体的な一点を書きます。

商品紹介ページをスマートフォン対応へ直す募集を拝見しました。
掲載中の文章と画像を残したまま、横幅の崩れとボタン位置を
修正する作業であれば対応できます。

続けて、制作例、進め方、確認したい点を書きます。

制作例:[URL]

作業前に、対象ページ数、元データの有無、希望する公開日を
確認させてください。内容を確認後、作業範囲と日程をお伝えします。

提案文には、受注後に守れる内容だけを書きます。「必ず売上が上がります」「何でも対応できます」という言葉には、約束を支える根拠がありません。

見積もり前に確認する7項目

金額を出す前に、次を聞きます。

  1. 何を納品すれば完了か
  2. ページ数と対応する画面サイズ
  3. 原稿、写真、ロゴは誰が用意するか
  4. サーバーやCMSへ誰が公開するか
  5. 希望納期と確認にかかる日数
  6. 修正回数と、修正に含まれない変更
  7. 制作実績として公開してよいか

「簡単なページです」と言われても、作業量は判断できません。現在のページや参考URL、必要な機能を見てから答えます。

AIに見積もり項目を確認させる場合も、相手の管理画面や未公開情報は入力しません。

修正回数とページ数に上限を決める

経験を積むために金額を抑える場合も、修正回数とページ数を決めます。「修正は納得するまで」「ページは必要なだけ」という条件では、必要時間を見積もれません。

見積もりには、作業時間だけでなく、打ち合わせ、確認、修正、公開、連絡の時間も含めます。外部サービスの利用料がある場合は、誰が支払うかを分けます。

金額に迷うときは、作業を工程に分けます。

要件確認
データの受け取り
制作
スマートフォン確認
依頼者確認
修正
公開
納品後の説明

各工程の時間を合計し、依頼者の予算と納期に収まるか確認します。

作業を始める前に、文章で合意する

口頭の約束や流れてしまうチャットだけに頼らず、作業内容、金額、納期、支払時期、修正条件、キャンセル時の扱いを一つの文書にまとめます。

取引形態によって必要な契約内容は変わります。AIが作ったひな型をそのまま正式な契約書として使わず、内容を理解し、必要に応じて専門家へ相談してください。

アカウント情報の受け渡しも決めます。パスワードを通常のチャットへ貼らず、一時的な権限や安全な共有方法を使えるか依頼者と相談します。作業後に不要な権限は外してもらいます。

納品日は表示と内容を確認する

完成直前に、次の順で確認します。

  • 原稿の数字、固有名詞、連絡先
  • 画像の表示と利用許可
  • パソコンとスマートフォンのレイアウト
  • メニュー、ボタン、外部リンク
  • フォームの送信先
  • ページタイトルと説明文
  • 公開後のURL

ChromeとSafariなど、二つのブラウザーで開きます。依頼者にも確認用URLを渡し、修正点を一つの場所へまとめてもらいます。

修正が終わったら、納品物、更新方法、今後の注意点を短い文書にして渡します。完了した作業と対応外の作業も明記します。

避けた方がよい募集

次の条件がある案件は応募を保留し、契約前に内容を確認します。

  • 契約前に完成品を無料で提出させる
  • 作業範囲や報酬を示さない
  • 高額な教材やコミュニティ購入を応募条件にする
  • 他人のサイトや文章を無断で複製させる
  • 本人確認前に重要なアカウント情報を求める
  • 外部サービスの規約に反する操作を依頼する
  • 「必ず稼げる」など、仕事と無関係な勧誘へ移る

質問への回答が曖昧なら、応募や契約をいったん止めます。必要以上の権限を渡さず、契約外の無償作業も引き受けません。

最初の納品後に残す記録

案件が終わったら、次の4点を書きます。

  1. 見積もった時間と、実際にかかった時間
  2. 予定外に増えた作業
  3. 相手が迷った説明
  4. 次回から先に確認すること

次の案件を見積もる前に、この記録を読み返します。依頼者から許可を得た制作物だけを実績として公開し、守秘義務のある情報や管理画面は載せません。

まだ練習制作が完成していないなら、AIを使ったWeb制作副業ロードマップの「1〜2週目」から始めると、応募前に必要な制作物がわかります。

教材や質問環境を決めたい人には、Web制作の独学サービス・スクール比較が次の判断材料になります。

最初の1件では、約束した範囲を納品し、次回の見積もりで直す点を記録します。